実はユニークな日本のクワガタ・カブトムシ飼育文化 ?>

実はユニークな日本のクワガタ・カブトムシ飼育文化

クワガタ・カブトムシは日本の子供たちに(近年は大人にも)人気の昆虫です。夏になるとホームセンターなどで虫や採集用品が売られるのはありふれた光景です。

Plastic cases for insects in DIY storeRhinoceros beetles in DIY storeProducts for caring insects in DIY store
(写真: 夏にホームセンターで売られているクワガタ・カブトムシ飼育用品)

私は生まれてからずっと日本に住んでいるので意識したことがなかったのですが、記事・文献中の以下のような記述から、どうやらクワガタ・カブトムシに多くの人が興味を持つというのはユニークな文化なのだと理解するようになりました。

国際学会や国際会議に出席するたびに色々な国の参加者の方からアンケートをとってみた。「日本人はクワガタムシが大好きで家の中でペットにするくらいです。あなたの国ではこういう習慣はありますか?」すると、驚くべきことに返ってきた答えは、ほぼすべて、「No!日本人の習慣は理解不能」というものだった(参照1)。

多くのアメリカ人にとって、飼い主に噛みつこうとする大きな黒い虫を喜んで買う人の気持ちは理解しがたい。「悲鳴を上げて逃げ出す」 が、オオクワガタを見たときのアメリカ人の典型的な反応だろう(参照2、すずかけによる翻訳)。
ホームセンターばかりでなく、スーパーマーケットにも、夏になればカブトムシ用の飼育ケースや虫かご、虫捕り網などが並ぶ。カブトムシを、同好者ばかりでなく、広く大衆が飼うという文化はほぼ日本独自のものだ。店先に虫捕り網や虫かごがある光景も、書店に必ず昆虫図鑑が並んでいる場面も、日本では子供たちへの需要があるからであって、海外ではまずお目にかかれない。 (参照3)

同じものを人々がまったく違う視点で見るのは文化の違いと言ってしまえばそれまでですが、なぜこのような違いが生まれてきたのか興味深いです。もし今回の話題に興味をお持ちの方は以下の2007年の記事をお勧めします(英語です)。アメリカ在住の日本人の著者が、日本の昆虫文化を詳しく紹介しています。

メモ:
*台湾のクワガタショップで働いている友人によると、台湾も日本と同様、虫は子供たちに人気で、夏場に店先に並んで売られているそうです。

*カブトムシやクワガタムシがありふれたペットとして認識されているのは事実ですが、日本人はみんな虫が好きかというとそうではなく、もちろん虫が嫌いという方もたくさんいることはご存じのとおりです。たとえば、おそらく20代から30代が多くの回答者であるマイナビニュースの2012年のアンケート(参照5)では、「虫が嫌い」という人が60%に上ります。

参照:
1. 五箇公一、中日新聞、2010年3月11日
2. Nicholas D. Kristof, The New York Times, APRIL 10, 1999
3. 永幡嘉之、日本経済新聞、2014/7/26
4. Akito Y. Kawahara, American Entomologist, Fall, 2007
5. マイナビニュース 2012.10.27

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